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みくさんぽ。

False Island(通称:偽島)の更新記録とかを書いていく日記。気が向けば普通に日記書いてるかも。
2024
11,23

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2010
03,11

はやくも19・・・!



――本国:クールラント公国

一人の老人は落ち着きなく書斎の中をうろうろと歩き回っている。
爪を噛むのが彼の癖なのか、爪の噛む音と歩の音が静かな部屋に木霊する。
その時彼の部屋をノックする音が聞こえた。
老人は待ってましたと言わんばかりにドアを開けた。
「・・・わかったのか?」
老人は、目の前にいる執事の男に尋ね、執事はニヤリと笑い「はい」と、答えた。
老人の顔が瞬く間に歪んでいく。執事は、手に持っていた茶色い封筒を手渡すと、老人は奪い取るように受け取り、豪華な椅子に腰を掛け執事に灯りに火をともすよう命じた。
老人はゆっくりと封筒の中身に目を通していく。

読み終えたのか、封筒を机に置き一息のため息をした。が、肩が小刻みに震えている。
「・・・そうか・・・そういう事か・・・ッ!」
そう呟き、狂ったように彼は笑い始めた。執事も釣られてか嬉しそうに笑っている。
二人の狂喜の哄笑は暫く鳴り響く。
「フフ・・・フハハハハハハハッッ! そうか・・・汚らわしき黒の一族にそんな秘蔵っ子が居たとはな!?」
老人は執事の目を覗き込むように嬉しそうに問いた。
「まさか、驚き。以外の何者でもございませんね」
面白くもない執事の答えにまた老人は嬉しそうに笑い始めた。
「なるほど、だから最近黒の爺は落ち着きがなかったのかッ!」
執事も再び相槌を打つ。老人は嬉しくてたまらないのか今にも小躍りをはじめそうな勢いだ。
「・・・ククク。良いことを思いついたぞ」
老人はニヤリと口を半月の様に歪ませる。狡猾な古狸そのものだ。
「おい、その行方不明のこのフランチェスカ・・・姓を呼ぶのも汚らわしい。この小僧を殺せ」
「しかし、親方様。殺す、意味はあるのでございましょうか?」
執事の問いに、今まで起源が良かったのが嘘のように一変。
顔を真赤に染め激昂する。
「この馬鹿者が! 儂の言う事に反論するとは、貴様、何様のつもりだッ!」
怒りが収まらないのか、机の上に置いていたガラスの灰皿を執事に向かい投げつけた。
執事は、小さく侘びをつぶらき、向かってくる灰皿を避け様としなかった。
鈍い音が響き額からは血が流れだす。
血を見て老人は落ち着きを取り戻したのか、冷静になり静かに語りだした。
「良いか、小僧がこのまま居なくなってしまえば、形成は逆転だ。忌まわしき黒のシュバルツに奪われた議長の座を取り戻すのも時間の問題だ」
老人は立ち上がり機嫌が治ったのか、目を瞑りまるで管弦楽団の指揮者のように手を振りはじめた。
「・・・白の一族は常にトップでなければならぬ。黒の一族に汚された名誉を今取り戻そうぞ」
「・・・では、暗殺の依頼は、いつものように手配すればよろしいですね?」
老人はニヤリと笑い、執事も釣られて笑った。
「・・・蛇の道は蛇じゃ」
そう言い、懐から袋を取り出し金額を数える。
金貨の数は50枚。
「奴ら盗賊ギルドは、敵にまわすと小蝿の用に鬱陶しいが、仲間に引き込むと少し餌をやっただけで喜んでうごくからのぉ?」


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プロフィール
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みく(ノイズ)
年齢:
35
性別:
男性
誕生日:
1988/12/28
職業:
大学生という名の自宅警備員
趣味:
読書 音楽鑑賞(メタル・クラシック・洋楽パンクロック)
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