2010 |
02,14 |
«探索六日目»
いやぁ、更新止まっていましたすんません(´・ω・`)
今日から本気出す!(キリリッ
試合はあっけないものだった。
この俺様の独断場と言っても過言ではない。
見たことある猫にあの俺様に合成を依頼してきたシスター。あと、見たことのない生気のない目をしたゾンビ。
こっちは一人が迷ったおかげで二人だというのに、この様だ。
やれやれ、計画が狂っちまったな・・・。
計画が狂ったせいか、勝利に酔いしれていたのかは分からないが、思わず相手を虐げるようなことが言いたくなる。
だって、そうだろ? こっちは、栄誉あるこの俺様自らがパーティに誘ってやろうと思ったにも関わらず、相手はこの様だ。
「・・・お前ら弱いな。貴族の俺様が下僕にしてやろうと思ったが、俺様の下僕に雑魚はいらねぇ」
思わず溜息が出る。
さて、こいつらにはもう用はないし、話しかける必要もない。
敗者に掛ける言葉なんて罵詈雑言のみだ。
所詮世の中勝者が正しい。
俺は、自分の短剣を鞘に直し、踵を返して遺跡内に再び行こうとしたが、怒号が後ろから聞こえた。
「たかだか練習試合程度で・・・あんたにそこまで言われる筋合いはない!!」
「・・・あァ?」
振り向くと、傷だらけのシスターが立っていた。
ふん、負け犬の遠吠えか、全くなんて見苦しいんだ。
すでに興味のない俺は無視をし立ち去ろうとした。
その時、シスターの拳が顔を目掛け襲いかかる。
間一髪。俺は相手の拳を避けるが彼女のグローブの爪が頬をかすめ血が滲んだ。
「・・・おいおい、この俺様を傷つけるとは・・・身の程を弁えろよ『庶民』?」
シスターは何も答えない。ただ、間髪入れず彼女の蹴りが俺に襲いかかる。彼女の眼はもはや正気を失っていた。
五月蝿い雑魚だ。
が、違和感を感じた。
今回は単独の戦闘のせいかどうかは分からないが、先程の動きとはまるで違う。
洗礼された動き。なるほど、面白い。
怪我を負わされた上面白そうな展開。このまま帰るわけにはいかない。
思わず笑みが出る。
「フフ・・・フハハハハハハハッッッッ! 身の程を知れよ、庶民がッッ!」
その後の記憶は無い。
恐らく、いや。確実に俺の勝利で終わったはずだ。
目を覚ますと見知らぬ天井が俺を出迎えた。
ここは、どこだ? 傷付いた体に鞭を撃ち体を起こす。
見回すが全く見に覚えがない。
はて、ここは一体何処なんだ・・・?
ドアが開く音がする、そこには見知った顔があった。雑種だ。
「あ、チェスもう大丈夫なんだ」
チェス・・・? この俺様に向かって馴れ馴れしいな。
まぁいい。
「・・・おい、雑種。ここに連れてきたのはお前か?」
俺の問いに雑種は首を縦にふった。
なるほど、一時のパーティとは言え、この俺様を介抱するとは見上げた奴だ。
「・・・なんか、言うことあるんじゃないの?」
ニヤニヤと笑っている、なんだか無性にムカつく。
「・・・言うこと、ね」
暫く考える。
あ、なるほど。
「流石は俺様の下僕。褒美をやるよ」
俺は書けられたジャケットに手を伸ばし、ポケットに入っていた金貨を取り出し、雑種に向かい指で弾いた。
全く、チップを強請るとはなんて賎しい奴だ。
「あ、いや。別にお金なんていらないよ・・・?」
あぁ? じゃぁ、なんなんだってんだ。
「・・・いや、やっぱりいいや」
なにやら呆れた様な顔をしている。変な奴だ。
「それより、もう体大丈夫なの?」
俺は腕を2回ほど回し続けて屈伸をする。
やや、痛むが動けない。って、程ではなさそうだ。
その様子を見てか、雑種はよかった。と、呟き満面の笑みを浮かべた。
本当に、変な奴だ。
「全く、試合終わったって言うのに、ルフィナとまた試合するなんてどうかしてるよ」
少し自分でも反省。
柄にもなく少し熱くなりすぎたことは認めよう。
だが、試合は俺様の勝利に終わったんだから問題無いだろ?
「え、いや・・・引きわk」
「あぁ!? 俺様の勝利だろッ!」
ハハ・・っと困ったように頬をかいている。
全く、これだから庶民は・・・。
もっと、貴族の俺様を崇め奉る事は出きないのか?
ぐ~と、お腹の鳴る音が聞こえた。
・・・おいおい、庶民よ。いくら、腹がへったからと言ってお腹を鳴らすとは賎しいぞ。
「えっ、私さっき朝食食べたし、しかも今のってチェスの・・」
うるせぇ! 口答えすんな!
「・・・まぁ、下に食堂あるし、体動くなら食べにいくといいよ?」
なに?
しょ・・・しょうが無い。下僕が言うのなら俺様も行ってやらんこともない。
全く、卑しい奴め。
「あ、ちなみにPSじゃないとお金払えないからね?」
な、なん・・・だと?
こっそり、ズボンのポケットからPSを入れた袋を取り出し確認する。
・・・150PS。
しかたがない、少々懐が寂しくなるが朝食くらいは奢ってやろう。
ここまで連れてきたのは陶然としても褒美をやらねばな・・・。
俺は、ベッドから降り、下の食堂に向かい歩を進めた。
って、雑種ついてきてないし・・・。
「いや、だって私さっきたb」
うるさい! 俺は雑種の腕を掴み無理やり引き釣りだし下へと向かった。