2010 |
04,15 |
«探索二十五日目»
貴族、啖呵をきる。の巻
所々引き裂かれ血に染まったボロボロな姿。あまりにも哀れな姿。これこそが、家の権力なんてない。本来の自分の本当の姿なのだろう。
自覚した。いや、自覚せざるをえなかった。
立ち上がるのやめて、このまま寝るか?
体のあちこちが軋む音が聞こえる。やめよう。もう、今日はつかれた。このまま倒れていよう。だが、関係はない。
ククク、と苦笑してしまう。ようやく、俺は自分の事をしった。ただの傲慢な強がりな奴なのだと。
こいつは、自分事だが本当にどうしようも無い人間だ。
でも。
でもよ、
「・・・俺様ってば、生憎生まれながらの負けず嫌いみたいでねぇ。このまま倒れただけで負けなんて認められねぇんだよ。・・・そうだ、お前は俺に負けを認めさせろ
さぁ、俺を殺さない限り狐みてぇにてめぇにしつこく噛みついてくぜ?」
持っていた槍を捨て、短剣抜き構えた。
啖呵をきる。これほど、清々しい気分を味わうのは初めてだ。
と、浸っていると。
「・・・うっさい。あんた、口悪いわね」
妖精からきつい一言。
よく考えれば、珍しく俺より、雑種妖精の方が倒れたんだから回復が早い。
「・・・せっかく、かっこよく決めたってのに茶々いれんな」
思わず苦笑する。
いつもなら、激昂する場面なのだろうけど今は清々しい気分だった。
「・・・おっし、んじゃ第二ラウンドいってみようっ!」
雑種の元気な声が聞こえる。
目の前の敵も、もうピンピンしている。
なるほど、役者はすでに準備完了って訳だ。
なら
「ああ・・・。
さぁ、愉快に痛快に明快に全快に爽快にてめェを倒してやるよッ!」
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みく(ノイズ)
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1988/12/28
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大学生という名の自宅警備員
趣味:
読書 音楽鑑賞(メタル・クラシック・洋楽パンクロック)
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