2009 |
12,20 |
シュバルツ家は、過去の大戦で活躍した英雄ルーク=ローゼンベルクが国王より男爵の称号とシュバルツ(黒)の苗字を得た。
彼は男爵の称号を受け取った後さまざまな分野にも勇往邁進に試みていき、しだいに、武の才だけではなく商・政の才も認められ、クールラント公国、国内での地位を延ばし続け、名家と認められていった
そう、そもそも俺様はこんな島に来なくても良い程裕福な家庭に育ったのだ。
俺は現当主の初めての孫という事で溺愛された。
爺様に俺は帝王学、武術、作法。ありとあらゆる知識を学された。
父は自分が次期当主になるのだと確信したんだろうな。
初め、父母は喜んだ。いや、喜び狂ったと表現したほうがいい。
喜び狂っていた父母だが、次第に困惑し始めた。
そう、爺様は俺だけに自分の持てる全ての知識を教え、父には何も教えなかったのだ。
次第に、爺様は俺の実の父母にも。自分の血の分けた実の子供達、後から生まれた孫に見向きもしなくなっていった。
そう、病的といっても過言じゃあない。病的なんて言葉じゃ言い表せないくらいだ。
父や他の親族は怒り狂い、爺様を問いただした。しかし、爺様は彼らの申し分を全て一蹴し俺だけを愛し続けた。
程なくして、俺は爺様以外の親族。実の親達にすら嫉妬され、一人になってしまった。
爺様はいつも、ほかのクズ共の事など気にするな。と、いった。
俺は、爺様の言う事を聞いた。
そして、そんな歪んだ愛を受け続けたある日、俺は書庫で我が国に伝わる伝説の聖杯について書かれた本の間に一枚の封筒が挟まっているのを見つけた。
封筒には、その伝説の杯はこの島にあると記されていた。
そして、封筒にその島の招待状が入っていた。
これが、俺の旅に出る動機。
物語の始まりだ。
フフ・・・俺は絶対に手に入れてやるさ・・・。
そう、これは神が俺の為に用意したステージなんだよ!
その為なら、こんな不味い飯でもなんでも我慢してやるよッ!
「待ってろよ、伝説の聖杯ちゃんよッ!」